遺品整理で困らないための準備!生前整理で何をしておく?知っておくべき4つのポイント!

「遺品整理の埼玉中央」代表 内藤 久趣味・暮らし

いずれ親が亡くなることを分っていても、それを意識して生活している人は少ないはずです。
何故なら、それはあまり考えたくないことだからです。

その為、ある日突然それが起こると皆さん戸惑い困惑します。

そこで親が亡くなった際に何をすべきなのか、もしものときに何を知っておくべきか、今まで2000人以上の遺族の声を聞き続けて来た遺産整理のプロである内藤が事例をあげて説明します。

 

生前整理をしている人は少ない

生前整理をしている人は少ない

以前テレビ番組で、有名芸能人が「母親は死なないものだと思っていた..。」と号泣していた光景を見たことがありました。

ですが残念ながら両親との別れは必ずやってきます。
それも突然にです・・・

人によっては「親が終活をしていた。親が生前整理を行っていた」と聞くこともありますが、私が今まで2000件以上の方の遺族の声を聞いてきた中で「親にもしものことがあった際」に備えている方たちは殆どいませんでした。

それによって混乱や故人への誤解などが生じてしまうケースも多々あるのです。

 
これまで2000件の遺品整理現場で遺族と対話した経験で、遺族の方が困っていたことには共通点がありました。

遺族の方が困る共通点

・何を形見分けで持ち帰るか
・財産の引継ぎ
・死を伝える相手
・故人の想いが不明

これから、詳しくひとつずつご説明していきます。

まずは、私自身が実家の遺品整理を経験したお話しからです・・・

 

遺品整理は時間がかかる

遺品整理は時間がかかる
今から29年前に私の父親が亡くなりました。

そのときに起きた経験を思いだすと、私は実家を離れて生活をしていたため、訃報を聞いた後直ぐに自宅に戻りました。

実家は小さな整備工場を商店街で営んでいたので、商店街の方を初めたくさんの方が自宅に集まり、葬儀の段取りは直ぐ決まりました。

お通夜、葬儀まで慌ただしさを感じながらつつがなく終えました。

そして父の遺品を整理しようとした際に手が止まりました。

それは親が亡くなったことは分っていても、遺品に触れた瞬間いろいろな思いが立ち込めてきたからでした。

どこから手をつけたらよいだろう?
何を残したら、後悔しないだろう?

色々なことを考えました。

 
普通、葬儀の場合は業者が段取りをしてくれます。
ただ、遺品の整理は自分で決めていく、いわゆるプロデュースしていくのです。

そのため、どう進めていくか、またできればそのままにしておきたいと気持ちが過りました。

結局、再び着手を進めたのはそれから3週間以上の時間が経ってからでした。

「私の幼少写真」「アルバム」「父が大好きだった寅さん映画のパンフレット」、他にもいくつかの遺品を手元に残しました。

遺産整理には思いのほか時間がかかってしまうのです。

 
私のお客様で姉妹で遺品整理をしようしていた方のお話しを聞きました。
おふたりとも結婚をされていて、40代後半の方です。

「いったいどこに何があるんだろう?」
「これを私たちふたりで考え、主人に手伝ってもらったとしていつ終わるのだろう?」
「親の遺品整理を業者に頼んで処分するのは両親に申し訳ない気がしていた」

こんな思いがあったそうです・・・

地方の都市では、ご近所、親族が手伝って遺品を整理する話を聞くことがありますが、核家族化が進んでいるところでは、子供親族だけで行おうと考えるケースが多い反面、戸建て4部屋以上の遺品を全て自分たちで行うには限界があります。

あらかじめ「形見分け」を決めておくと遺族の負担がグッと減ります。

 

遺品整理で捨てづらいモノ

遺品整理で捨てづらいモノ

私が2000人以上の遺族方々と対話した経験から、親の遺品で捨てづらいモノと逆にそうでもないモノがあることがわかりました。

捨てやすいものは同性として、
女性から見ると、母親が使っていた化粧品、ハンドバック類、
男性からすると、父親の背広(かなり古いモノ)ネクタイなどです。

「では、捨てづらいモノは?」
そこには男女での違いがあります。

男性の場合は、母親の遺品。
女性の場合は、父親が身につけていたものがあります。

そういった意味でも、親が元気なうちに「親が気に入っているモノ」を聞いておく、たとえば「これは両親が一番気に入っていたスーツだった。30着のなかでこのスーツを形見に残しておこう」と決めておくと良いです。

親の遺品は全て持ちかえることはできないので、あらかじめ聞いておくと、処分する罪悪感が少なくなるので、気持ちの負担が和らぎます。

親が元気なうちに親が大切にしているものを予め聞いておくこと。

これが解決策になります。
 

 

遺品整理は財産も負債も眠っている

遺品整理は財産も、負債も眠っている
バブル前までは、今とは違い同じ銀行の口座を複数持てました。
そういった背景もあり、遺品整理の現場で子供たちが知らなかった親の銀行口座が平均2.3冊見つかります。

そこには、親が独身時代に作っていた口座、銀行が口座数を増やそうとしていた時代に付き合いで作った口座、親自身が忘れている口座などがあります。

それ以外には株式、金の口座積み立て、ゴルフ会員権などがあり「子供たちは、事前に親から知らされていなければ、親の財産を把握することは難しく」それを遺品整理の際に直面します。

親の遺産を引継ぐことは、親の財産を相続することになります。

 
生命保険で多い事例は、子供たちが「親が加入していた保険」を把握していないケースです。

また親がサラリーマン時代の付き合いで、義理で入った生命保険のことを親自身も忘れていることもあります。

生命保険の請求期間は一般的には3年ですが、生命保険の請求期間が過ぎていても、「親の遺品整理のときに証書を見つけた」と保険会社に伝えれば、取扱い保険会社によっては交渉の余地があります。

生命保険は請求しなければ支払われないままに、請求権を失うことになり、逆に保険会社からすると、遺族から申告がなければ、加入者が亡くなったことを知る由はありません。

 
預貯金に関しても「子供たちは親の財産を把握できていないことが多い」です。

よくどうやって親に話したらいいか?と聞かれます。
それは、親に相談するカタチで話すことです。

たとえば「私の家の貴重品は○○のところに置いてあるけど、お父さんたちはどうしているの?」と相談するように話してください。

親はいつまでたっても親なので子供から相談されると嬉しいものなのです。

ちなみにエンディングノートには、預貯金・株式・不動産・その他財産・借入金・クレジットカード・保険などの項目があります。

親に相談するかたちで財産について聞いておく

 

生前整理で死を伝える相手を明確に

生前整理で死を伝える相手を明確にする
遺族が頭を悩ませるのは、故人の人間関係です。

親族までは把握できていても、学生時代の友人、会社で親しかった元同僚、会社を辞めた後にできた趣味のサークル仲間などはわかりません。

以前、遺族の長男の方から「1年前まで勤務していた父の仕事関係の人から電話がかかってくる可能性もあるので、留守番電話が残るようにしています」と聞きました。

理由を伺うと某製薬メーカーに勤めていた父親の交流関係がわからないため、父親が亡くなったことを元同僚や父親の友人に伝えたいと伺いました。

実際に遺品整理の最中に「山登りの会の○○です。何度かご連絡しましたが、体のおかげんはいかがですか?」留守電が残っていました。
それを知った長男は、残っていた電話番号履歴から先方に父親が亡くなった事実を知らせたようです。

 
また遺族から故人宛に届いた直近の年賀状を探して欲しいと依頼頂くことがあります。
多くの方が、故人の交流関係を知ったうえで、亡くなった事実を知らせるためです。

ただご自身の交流関係全てを作るのは大変です。

そのため、元同僚、サークル仲間であれば「キーマンになる、ひとりのメモ」を取っておけば、仲間同士に連絡がつくので、亡くなった事実を知らせることができます。

素直に聞いてしまうのも手かもしれません。

 

生前整理で自分の本当の想いを遺す

生前整理で自分の本当の想いを遺す
これは、2002年に遺品整理の仕事を初めてお請けした実話です。

ある日、「故人の部屋の荷物を処分してくれませんか」と電話がありました。
現地に赴くと待っていたのは、50代の母親と20代の娘さんでした。

事情を伺うと、20年以上前に離婚した元夫が急死し、住んでいたアパートの保証人になっていたために、自分たちには無関係な人になっているけれど、部屋を空にしないといけなくなったというのです。
 
特に娘さんは、「土足で上がって構いません。全部ゴミですから、早く済まして」殺伐とした雰囲気の現場でした。

ところが作業終了間近、部屋の中から、あるものが見つかったことで、雰囲気は一変しました。

テレビ台を搬出しようとしたところ、娘さんの幼い頃の写真の束が出てきたのです。

当時3歳くらいのかわいらしい女の子のスナップ写真で、それらの写真の裏には、撮影日と、娘さんの“成長記録”がしたためられていました。

私はその写真を娘さんにお渡ししました。
すると、見る見るうちに表情が一変して彼女の頬をポロポロと涙が伝わりました。

故人の本当の想いが伝わった瞬間でした・・・

 
しかし、一方で故人の「想い」が伝わらない場面にも幾度となく直面しました。

ときには遺族も知らない借用書が出てきてトラブルになる、遺品をどう処分していいのか途方に暮れるなど、故人が生前に何らかの形で「遺志」を残してくれたなら、と思うことがよくあります。

終活をなさる方は、ぜひ自分の想いを何かに残してください。
普段言えないようなことを伝えてください。

幾多の故人の部屋を見て思うことは、終活で、感謝の気持ちを残しておくと遺族が救われると思っています。

 
以上が遺品整理で困らないための準備!事前に何をすべきか?知っておくべき4つのポイントです。

皆様のお役に立てれば、さいわいです。

「遺品整理の埼玉中央」代表 内藤 久

【略歴】
内藤 久(ないとう・ひさし)
さいたま市で遺品整理業を営む「遺品整理の埼玉中央」代表。
1960年生まれ、東京都出身。京王プラザホテル、シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル勤務を経て、2000年にハウスクリーニング会社を開業。ホテルマンの時代に、実家の遺品整理で父親の遺言書を見つけた経験をしたことから、2005年より、当時は殆ど着目されていなかった遺品整理の専門事業部を本格的にスタート。作業累計2000件以上。
内藤さんのHP 遺品整理の埼玉中央

【著書】
著書に「もしものときにときに迷わない遺品整理の話」(SB新書)「親が死んだとき後悔する人、しない人の実家の片づけ」(経済界)「親ともめずにできるこれがリアルな実家の片づけです」「図解 親ともめずにできるこれがリアルな実家の片づけです」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)(セブンイレブン店頭版)「親の財産を見つけて実家をたたむ方法(ビジネス社)などがある。