円滑に会議を進めるための方法!初めての進行役でもうまくいくコツを伝授!

ビジネスメイク研究所主宰 大澤典子 ビジネス・コンサルティング

少人数のミーティングでも、十数人の打ち合わせでも、会議の進行役はなかなか気をつかいます。ましてや初めてとなると、緊張しますよね。

今回は、初めての進行役でもスムーズに会議を円滑に進行させるコツやアイディアをコミュニケーション講師の大澤がお話しします。

これであなたも有能なファシリテーターになれますよ!

 

会議の冒頭で使う4つの技

会議の冒頭で使う4つの技
何事もはじめが肝心!
あなたの本気を伝え、場の空気を作る4つの方法を教えます。

まずはこの順番を覚えてください。

 

会議の開会宣言をする

会議の開会宣言
会議の始めに、はっきりと「開会を宣言」します。

「定刻になりましたので、〇〇会議を始めます。終了時刻は○時を予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。」

など、ちょっと堅苦しいくらいでOKです。

最初は、目上の人に号令をかけるような居心地の悪さを感じるかもしれませんが、丁寧な言葉遣いなら大丈夫です。

遠慮せずに、堂々と宣言しましょう。

終了時刻も忘れずに案内しておくと、最後がぐっと楽になるのでお忘れなく。

 

会議冒頭挨拶のNGワード

会議冒頭挨拶のNGワード
面識のない人がいればもちろん、知っている人ばかりでの会議でも「本日、進行を務めます○○です。」と名乗ると、あなたの誠実さが伝わります。

初めての進行役であれば

「実は、初めての進行役なので緊張しておりますが、精一杯務めます。どうぞよろしくお願いいたします。」

などと添えると好感度が上がります。
 
ここで注意すべきは、謙遜しすぎないことです。

「全然分かってないのですが」
「ぐだぐだになったら、すみません。」

などと口にすると、失敗してもいないのに言い訳をしているように聞こえます。

自信はなくても堂々と振る舞うのが、成功への近道です。

 

会議の目的を確認する

会議の目的を確認
開会宣言の後は、間髪を入れずに「目的の確認」を続けます。

その会議は「何か結論を出すこと」が目的なのか、そうではないのかが明確だと、ゴールがブレません。

 
ちなみに「結論」にも色々あります。
新商品発売やプロモーションを「やるかやらないか」という結論はわかりやすいですね。

本日のミーティングは新商品のプロモーションを行うかどうかについて決めたいと思います。

他にも「スケジュールだけは決定させる」
「ひとつの案に絞り込む」なども、結論のある会議です。

 
一方、結論のない会議もあります。
そういう場合の目的には、「アイディア出し」「事実の共有」などがあります。

「今日は、みなさんに広い視点で様々なアイディアを出していただくという目的でお集まりいただいております。」
「この会議では、当ブランドの〇月時点の状況を、それぞれのお立場でお話しいただき、共有することを目的とします。」

など、丁寧に伝えます。

ゴールイメージを明らかにすると、話がそれていかないので安心です。

 

会議中に途中退室する人には

会議中に途中退室する人には
途中退室する人がいる場合は、本題に入る前に全員に伝えましょう。

これには、リスク管理という大きな意味があります。

会議の流れによっては、その人に質問が集中したり、ときにはその人が責められるような場面があるかもしれません。

こんな難局で途中退出すると、まるで逃げ出したかのような印象を与えてしまうのです。

先に伝えておけば、必要以上に場の雰囲気が悪くなるのを防げます。

「〇〇さんは、▲時に退出されるとのことなので、最初にご発言いただきたく思いますがよろしいでしょうか?」

など、具体的なアクションを通して、途中退室を伝えるのも良策です。
 

 

会議の雰囲気を和ませる技

会議の雰囲気を和ませる技
出席者同士が信頼関係にあると、会議も実りあるものになります。
しかし時として、そうではない雰囲気になってしまうことも・・・

なんとなく話しづらいムードの会議なら、この方法を試してみてください。

 

アイスブレイクで打ち解ける

「氷を壊す」つまり「場のムードを温める」ための、ちょっとした雑談や自己紹介、ゲームなどを「アイスブレイク」と呼びます。

大手マーケティングリサーチ会社インテージでは、アイスブレイクのさまざまなテクニックを紹介しています。

その中でも、自己紹介に関するアレンジがこちらです。

「他己紹介」

2人でペアになってインタビューし合い、その後、全員の前でその人のことを紹介します。

「実は、自己紹介」

必ず「実は」という言葉を入れて自己紹介をします。

「実は、趣味で盆栽をしています」
「実は、5人の子どもの父(母)です」
など、ちょっとだけプライベートなことも話しやすくなります。

「サイコロ自己紹介」

サイコロに書かれたテーマに沿って自己紹介します。
カードで行う方法もあります。

 
初対面の人が多ければ、進行役として、こういった「ちょっと変わった自己紹介」を促すこともできます。

全員がノリノリで参加したいかどうかは微妙なところですから、こころよく協力してくれそうな同僚に、あらかじめトップバッターを頼んでおきましょう。
きっと一緒に会議の雰囲気を盛り上げてくれますよ。

とはいえ、忙しいビジネスの現場では、
参加者それぞれが貴重な時間を捻出して集まっています。
時には、速やかに本題に入ったほうが良い時もあります。

場を読んでアイスブレイクをやるかやらないかを決めましょう。

 

アイスブレイク以外の和ませテク

進行役主導で行うアイスブレイクタイムがなくても、心配は無用です。

会議の開始時間より前に打合せ場所に到着して、別の参加者と短い会話をかわすだけで、まったく違います。

一緒にイスや机のセッティングをしたり、空調の設定をするなど、打ち解けるチャンスがあるはずです。

のど飴やミントタブレットなど、小さなお菓子が潤滑油になってくれることもあるでしょう。

進行役のあなたに好感をもってくれた人は、あなたを見守り、緊張をほぐしてくれる大切な存在になるでしょう。
 

 

会議終了時の締めの技

会議終了時の締めの技

終わりよければすべて良し。
ここでは、自然に会議を終わらせ次につなげるコツを3つ教えます。

 

会議の終了伝えるのはとても大事

終了時間が近づいたら、議論が白熱していてもお声掛けが必要です。

「お話が盛り上がっているところ恐縮です。終了時間が近づいてきましたので、一旦まとめたいと思いますがいかがでしょうか?」

などと、声を出しましょう。

どんなに有意義な会議でも、次の予定に間に合うかとヤキモキしている出席者がいるかもしれません。

進行役の一言が、誰かを救うことになった、というのは往々にしてあることです。

 

次回の会議スケジュールを決める

議論を続けるにしても、予定通り終了するにしても、次回の日程については、出席者全員ですり合わせて決めてしまうのがもっとも効率的です。

予定がはっきりしないメンバーがいても、
できるだけ、ひとつの日時まで絞り込みましょう。

そうすることで、そのメンバーも予定を調整してくれる可能性が高まります。

 

会議終了時のさりげない心配り

去り際は、それぞれの人間性が垣間見えるもの。
これまで筆者が実際に目にした、好印象な言動を紹介します。

ホワイトボードに書かれたメモを「もう消して大丈夫ですか?」と、残っている人に聞いてから、きれいに消す。必要があれば、自分のスマホで撮影して、全員にメールで送信。
帰宅を急ぐスタッフに、「保育園のお迎え、間に合う?」などと声をかけ、その人が早めに退出しやすいムードを演出。
会議中、味方してくれた人のそばまで行って、「先ほどは、ありがとうございました。」と、はっきりお礼を言葉で伝える。
会議中、険悪なムードになった相手にも、「また次もよろしくお願いします。」など、さわやかに一言。お互い気持ちよく席に戻れます。

 
誰もが時間をやりくりして出席する会議。
真剣な進行役の姿勢は、必ず参加者に伝わります。

あなたの会議が、実りあるものになりますように!

 
ビジネスメイク研究所主宰 大澤典子

【略歴】
大澤典子(おおさわ・のりこ)
1974年生まれ。
カネボウ化粧品宣伝部を経て、2015年ビジネスメイク研究所を主宰。
起業女性向けのメイクアップレッスンや撮影プロデュースの他、就労移行支援事業所・結婚相談所などでは講師としてコミュニケーションをテーマとした講義、セミナー、研修を全国で展開している。